2009年11月17日

鳩山民主政権への不安から疑念へ

鳩山民主新政権発足時に感じていた不安(9/16のブログ記事:早くも民主新政権に不安!?)が現実のものとなり、私にとってはそれ以上に疑念に変わりつつある。

世界のマーケットが日本の新政権をどのように評価しているかは、世界の株式市場で日本株(日経平均)のみが下落しており、国債の金利は上昇(=価格は下落)していることからも明らかのように、鳩山政権の今の政策では日本の経済成長が見えず、税収を大幅に超える国債発行で財政破綻不安から、「日本(鳩山政権)は売り」と評価されている。

政権交代バブル (Voice select)

政権交代バブル (Voice select)
著者:竹中 平蔵
販売元:PHP研究所
発売日:2009-10-27
おすすめ度:3.5

 

 

象徴的な失政は、郵政民営化の実質国営化戻しであり、亀井静香金融担当相の株式会社のガバナンスを無視した強権による脱官僚公約違反の社長交代劇で、よりによって元大蔵事務次官の斉藤氏への天下り人事だ。 鳩山首相がこれを抑えきれず「14年もたてば民間人」とか見苦しい言い訳をしている。  世論やマスコミがこの件を余り批判しない風にしているのが不思議だ。 鳩山首相と亀井金融担当相は大罪人になるだろう。 これは90年代の失われた10年に匹敵する失政で、日本経済の新たな失われた10年になる恐れがある。

鳩山由紀夫首相は、宇宙人というニックネームがあるようだが、政治リーダーとしての基本軸や強い意志や男気が感じられない。 その場その場で耳障りのよい言辞をし、発言を簡単に変節するのでは信用が置けなくなってくる。

14兆補正予算の削減や来年度予算の事業仕切りによる削減という新しい試みにマスコミの焦点が当たっていて一見評判もよいが、削減ばかりでは景気はよくならない。 削減分を子供手当てなど「コンクリから人へ」のバラマキに充当したいようだが、日本経済のパイを増やす成長戦略がないと縮小する限られたパイの中で単にお金の取り合いをしているだけで、決して景気は上向かない。

小泉・竹中改革で銀行の不良資産の整理が進み、郵政民営化が実現した2005年後半から、日本は規制改革が進み経済が上向くとの期待感から、世界から「日本は買い」と株価は上昇し、企業が元気になり、景気は上向き、いざなぎ景気を超える好景気が続いた。 このような、「将来に期待が持てる」と内外が感じる成長政策こそ今すぐに必要なはずだ。

小泉元首相や竹中平蔵氏は大変な苦労をして成し遂げた郵政民営化や日本復活をこんな形で反故にされて、さぞかし口惜しい思いだろうと、発言をネットで探っていたら、竹中氏が10月の近著「政権交代バブル−重税国家への道」出しているの知った。 早速,Amazonで購入し読んでみた。 鳩山政権への批判本と思ったが、冷静な分析の基に鳩山政権・政策の分析と問題点、諸外国の事例や提言がコンパクトにまとめられている。 このような人にもう一度日本の経済のリーダーシップを執ってもらい日本経済を立て直してもらいたいとつくづく思う。

この本の中で「「アメリカ型」と「スウェーデン型」についての勘違い」の節が示唆的だった。

・・・・スウェーデンは国がしっかりした公的サービスを提供する社会だが、所得再配分をどこまでやるかの違いはあるが、競争政策、経済政策、成長戦略についてはアメリカとほとんど変わらない。 国が大きな公的サービスをするためにはしっかり稼がないと再配分ができない。 つまり経済成長、強い企業で稼ぐ必要がある。 スウェーデンの自動車会社SAABが破綻寸前となり政府に救済を求めたが、スウェーデン政府は救済をしなかった。 弱い企業を生かしておくとグローバル化が進む世界で自国の経済が弱くなってしまうから。 正規雇用者の首切りも米国並み、最低賃金制度も存在しない、法人税率はEUの中でも最も低い。 スウェーデンの経済成長戦略がある意味でアメリカに似ていることが分かる。 模範的な社会民主主義国と日本ではイメージされているスウェーデンの実際をよく理解すべき。 成長力が最も弱い日本は、両国の成長戦略によくよく学ぶべき。 ・・・・・  一読に値する本と思います。

 バラマキ政策で一時の人気取りはできるが、税収以上の借金(赤字国債発行)を何年も続けられないのは自明です。 本当に重税国家への道を突き進んでおり大変恐いことです。 内外から「日本は買い」にしてくれる経済政策・成長戦略がないと本当に数年の内に重税に喘ぐことになりそうです。

現状の民主党の政策では、日本企業を強くする戦略・政策がないから、大企業も業績悪化から抜け出せず、雇用環境は改善しません。 JALの企業年金の特措法による強制減額を実施する動きのように、他企業にも年金削減が一般化する恐れがあり、鳩山首相が無責任にフライングした温暖化ガス25%削減公約のため環境税の導入(11/17日経新聞によると家計負担は年13万円〜76.5万円)、健康名目によるタバコ税の姑息な大幅増税の動きなど、他人事ではない実際の恐い影響が既に出始めていると気づく必要があります。


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