2009年06月09日
電気自動車が世界を変える!
NHKクローズアップ現代の「電気自動車が社会を変える」(09.06.08)を視て、改めて電気自動車(EV)の持っている社会/世界を大きく変えるポテンシャルの大きさを知らされた。 この番組で紹介された内容を記録しておきます。
その前に、現時点の電気自動車vsハイブリッド車vsガソリン車の性能・コスト比較の基礎情報を日経新聞記事(09.06.06朝刊4面)から転記しておきます。
現時点では、電気自動車は、コストと連続走行距離の点で、ハイブリッド車には敵わない。 しかし、10km10円という圧倒的燃費の良さ、ガソリンレス、CO2レスの完全エコ車の魅力は将来の絶対的強みだ。
しかし、今は個人で買うなら、ハイブリッド車が第1選択肢だろう。 エコカー減税の追い風もあり受注が殺到しているのも頷ける。
クローズアップ現代「「電気自動車が社会を変える」の番組紹介文 ⇒“今月5日、三菱自動車が電気自動車の量産を発表。7月から販売を始めます。富士重工業や日産自動車も電気自動車の販売を予定しており、今年は本格的な普及が始まる「電気自動車元年」といわれています。
ところが、日本でもすでに沢山の電気自動車が走っています。ベンチャー企業が、中小の電気自動車メーカーが乱立する中国から部品を取り寄せて電気自動車を作り、ブティックなどで販売を始め、家電量販店での販売も目指しています。課題だったインフラ整備も、京都や沖縄などの自治体が推進。電気自動車を風力や太陽光などの自然エネルギーと組み合わせることで社会のあり方まで変えようとしています。ぐっと身近になってきた電気自動車。その普及の最前線を追います。”
番組で紹介された具体内容を箇条書きしておきます。
・ガソリン車部品3万点、電気自動車はその1/10、3千点。
・三菱自動車のアイミーブは、自治体へ売り込み。京都府と連携、レンタカーの電気自動車化。
・日本でも電気自動車ベンチャーが活躍しだした。⇒例:オートイーブィジャパン株(東京都八王子市)、2人乗りEV車(ズラソーレ、添付写真参照)、補助金利用して183万円。 駐車場で車製造。 台湾製スピードメータ、電池(コストの半分を占める)は中国製、デザインはイタリア。 「家電的に売ることを目指す」、あるブティックも販売代理店となっている。
・ベタープレイス(米ベンチャー):電気自動車の電池をカセットのように簡単に交換可能とする自動車でタクシー会社に売り込み。 電池交換インフラを提供し電池の使用料で稼ぐビジネスモデル。
・電気自動車は視点を変えれば「効率の良い大容量蓄電池システム」⇒家庭での太陽発電や風力発電の蓄電器として利用できる。 オバマ政権が推進しようとしている次世代送電網「スマートグリッド」の家庭側インフラとしても機能する可能性もある。
・ 電気自動車を大量に導入し「地域全体の蓄電器にする⇒沖縄グリーンニューディール計画:沖縄本島2.5万台のレンタカーを全て電気自動車に変える。 風力発電を各地に設置し電気を電気自動車に貯める。 2,000億投資が必要、資金集めが課題。
・電気自動車はガソリンは使わず騒音も少ないから家の中へ持ち込める、AVルームとして使える。 電気自動車(EV)と自然エネルギー(太陽光発電や風力発電など)とは相乗効果が大きい!
・電気自動車は、現在の大手自動車メーカーの寡占状態を崩す可能性が高い。何故なら、部品点数が少なく簡単に作れる、小さな工場・少人数でも製造できる。 ガソリンエンジンが無くなる。
・米シリコンバレーに電気自動車ベンチャーが多く誕生、バブル崩壊後の投資も引き付けている。 中国も国策で推進している。
・電気自動車から色々な新しい産業の目、社会システムが生まれる可能性が高い。
このように書いてみると、確かに「電気自動車が世界を変える」ポテンシャルを持っているのが分かる。 電気自動車が普及期に入る2015年頃には、蓄電池の主流となるリチウム電池の素材リチウムの争奪戦が起きるという話もあるようだ。
10年前は高価で難しかったパソコンが、今や自作パソコン(DIYパソコン)キットで誰でも作れるようになった。 電気自動車も、近い将来にシャーシー、モーター、電池、タイヤなどのパーツが出回り、自作自動車キット(DIY自動車)が人気化するかもしれない。(Ref2参照:既に米国で自作自動車キット(DIY自動車)が発売されていました。09.08.05追記) つまり、自動車もコモディティー商品化する可能性がある。
米国の象徴的企業だったGMの破綻は信じられなかったが、もうそこまで近づいている電気自動車時代になると、図体の大きいGMの再生はそう簡単ではなさそうだ。 ハイブリッド車で先頭を走っている日本のトヨタ、ホンダだってガソリンエンジンが不要となる時代が来ると大転換を迫られている。 今まで強みだった自動車は「摺り合わせ型」産業で、それを追求してきたトヨタ、ホンダなどの日本大手も競争軸が大転換して優位性が崩れる可能性もある。 決して安泰とはいえず、第2のGM、クライスラーになることだってあるかもしれないのだ。
それにしても、政府は定額給付金など役に立たないバラマキをするよりも、日本の将来を左右する電気自動車や自然エネルギー開発にもっと国策レベルの大胆な成長投資の後押しをすべきではないでしょうか。
Ref.電気自動車の未来(ブログClean Tech )(09.6.21追加)
Ref2:DIYで組み立て、安価でクールな電気自動車『BugE』(09.8.5追加)
※本記事は「@あるん(あっとあるん)の団塊・シニアのコミュニティー」との連携投稿です。
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