2009年04月26日
5万円パソコン(ネット・ブック)とSSDの威力
2008年度のパソコン出荷台数(JEITA発表)が879万台で前年比-5.5%だったと報じられている。 デスクトップパソコンが13.4%減と法人向けを中心にが大幅減だったが、ノートパソコンは1.2%減と落ち込みが少なかった。 なかでもノートパソコンの市場全体に占める比率が約68%と急増が目立つ。 一方で出荷金額は14%減となり、単価の下落幅が例年になく大きい。
このノートパソコンの比率急増と単価大幅下落は、低価格の5万円パソコン(ネット・ブック、低価格ミニパソコンとも呼ばれる)が売れており、ノートパソコンの25%〜30%がこの低価格ノートパソコンで占められてきた(1年前は4%程度だった)ことが要因だ。
このJEITAの集計には、ネットブック(低価格ミニノート)で販売を伸ばしている台湾系のメーカー、米国のDellやHPなども調査対象外だから、 日本メーカーのシェアが台湾勢や米系メーカーに食われているのが前年比大幅減の裏の理由だろう。
私も外出時にネット接続ができて軽いポータブルパソコンが欲しかったのと、話題の5万円パソコンの実用度はどんなものか触ってみたい興味があった。
昨年11月に台湾のASUSの「Eee PC S101」(写真参照)が10.2インチ画面でSSD容量16GBで発売されたため、これなら実用に耐えそうだと考え昨年末に購入した。(最初の機種は画面サイズ8インチにSSD8GBで、年寄りには画面が小さすぎファイル容量も少なく二の足を踏んでいた。) Eee PC S101は4月現在、最安値5.5万円程度で早くも1万円以上も値下がりしている。
ちなみに、SSDとはSolid State Driveの略で、要するに、円盤がブンブン回っているHDD(ハードディスクドライブ)の磁気記録&メカニカル部分をICメモリ(フラッシュメモリ)に置き換えたものだ。
SSDは機械部分が皆無のため高速に読み書きできる。また、モーターが無いため消費電力も少なく発熱も少ないし騒音もない、機械的に駆動する部品が無いため衝撃にも強く故障が少ない。 現在のところ容量あたりの単価はHDDなど磁気ディスクよりフラッシュメモリのほうがはるかに高額なため、SSDは記憶容量が少ない製品が多い。
私はこのSSDの予想以上の効果(威力)に感心した。 まず、電源投入からWindowsが立ち上がるまでの早さ(10数秒)、画面切り替えはKBやマウス操作にサクサク反応するため気持ちがよい。(私のミニタワーパソコン(デュアルコアCPUで結構早い)に引けを取らないレスポンスの早さだ。) ファン音が聞こえず静か、ノートPCは発熱で底面は30℃以上するものが多く夏場は熱々になるが、このPC S101は温度上昇も低い。
これらは、SSDの採用により実現できており、軽さとあいまって操作の「快適感」はグッドだ。 実は屋外での使用は余りやっていないため、そこら辺は他の方のレポートを参考にしていただくとして、私にはこのPC S101は画面の輝度が低いことと、画面サイズ10.2インチでは目が疲れて屋外での使用は1時間程度が限界だったのが当て外れだった。(室内で長時間使う時は、外付けの19インチ液晶ディスプレイをつないで使っています。)
SSDのもう1つの重要な強みはHDDのように直ぐに壊れない信頼度/寿命の長さだと思う。 これは余り宣伝していないが、重要な強みだ。
私は過去にノートパソコン2台と省スペースパソコン1台のHDDの故障(クラッシュ)で3度も痛い目に合っている。 生来のずぼらでデーターセーブを怠っていたから大事なデーターが一瞬で消えてしまった苦い経験をしている。 いずれも2年〜4年でHDDが壊れている。 HDDは動作許容温度が55℃程度であり高温環境に弱く寿命が大きく低下する。 高密度実装のノートパソコンや省スペースパソコンではHDDの周りの温度が50℃を超え動作許容温度ギリギリのパソコンも多い。 落下や衝撃にも弱い。 HDDは消耗部品と考えるべきとの見方もある。
事実、私はHDDが壊れる度に新しいパソコンを買ったり、自分でHDDを交換したりしてきたから、パソコンが使える環境の維持に多大なコストを払ってきたことになる。 HDDの故障率の高さ(寿命の短さ)がパソコンの寿命を決めており、大変もったいない。
その点、SSDはそのような寿命の心配はほとんど無用である。(SSDの書き込み回数制限があるが実用的には気にしなくともよい長寿命だ。) 容量が少ない点は16GBあれば、通常のネットアクセスやメール、文書作成用途として必要十分だ。(ASUSは無料のWebストレージ60Gバイトも提供) 現在、SSDの32GBの価格が9,000円程度に下がっており、 ビット単価ではHDDよりまだ10倍以上高いが、今後、SSDの価格低下も進むし、そもそも一般的なパソコンの使い方では100GBも使わないのが大半だ。
SSDの持っている強みを考えると、低価格パソコン(5万円パソコンやネットブック)領域だけではなく、ミドル〜ハイエンド・ノートパソコンや省スペース・デスクトップにも採用すべきだ。 HDDが無くなることのメリット(省電力、静音、クーリング、故障しにくい、長寿命、軽量、耐衝撃)は非常に大きいし、ファイルのアクセススピードも速くなり、壊れにくいのだから魅力倍加だ。
パソコンの大幅単価下落に苦しんでいる国内のパソコンメーカーにとっても「SSD搭載パソコン」は妙味があるのではないだろうか? 今、時代の要求でもある「エコ情報家電」、「省エネで壊れにくいパソコン」として十分に訴求できるのではないか。
Ref:華麗なるミニノート”――ASUS「Eee PC S101」の真価を問う(前編)
Eee PCの新顔10.2型ディスプレイ搭載「S101」速攻レビュー
※本記事は「@あるん(あっとあるん)の団塊・シニアのコミュニティー」との連携投稿です。
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