2009年03月01日

楽天ネット通販の海外進出は成功するか?

楽天が2月13日に発表した08年12月期の決算は営業利益、経常利益ともに最高を更新したと報じられており、ネット通販サイト「楽天市場」がこの大不況の最中でも好調で、ネット通販は安さや便利さを求める利用者を獲得し、不況に強いことを裏づけています。

楽天は「楽天市場」の海外進出にも意欲を示しており、日経新聞1月19日朝刊にネット通販 楽天、中韓などで展開 現地語版のサイト開設の記事が出ています。 

トヨタ、ホンダなどの自動車やソニー、パナソニック、キャノンなどのデジタル家電などの日本ブランド商品の海外展開は成功している(今では海外が主市場となりつつある)が、日本ブランドのネット通販のビジネスモデルの海外進出は緒についたばかりで、果たして成功するのか大いに興味があるところです。

商品のアーキテクチャー(部品要素と設計思想)には組合わせ型(オープン&モジュラー型:パソコンなど)擦り合わせ型(クローズ&インテグラル型:自動車など)があり、パソコンは「オープン・アーキテクチャー」となり、標準化された規格や共通部品化(モジュラー化)が進んだ結果、パソコン事業への参入障壁が低くなり、コモディティ商品化するとともに、グローバルな競争が激化して熾烈な価格競争が起き、日本勢の海外進出は失敗し日本市場に閉じこもっています。

海外で成功している自動車は他の車とは違う「個性」が売り物です。 デザインの好みや乗り心地などのテイストが重視されます。 つまり、自動車は色々なノウハウが「クローズド・アーキテクチャー」のままで良いことに、そのコア・コンピタンスの本質があります。 

楽天に代表される日の丸「ネット通販」のビジネスモデルは、自動車型(擦り合わせ型)かパソコン型(組合せ型)かどちらだろうか?

私は日の丸パソコンが海外進出に失敗したのは、パソコンは情報処理ツールである本質が背景にあり、言語の壁・文化の壁にハンディがある日本勢(日本パソコンメーカー)には、グローバルな英語文化圏をホームグラウンドとした米国勢(DELLやHP、マイクロソフト)には、最初から勝ち目が少なかったのが、もう1つの敗退の要因だと思っています。

では、ネット通販の「楽天市場」はどうだろうか? ネット通販は販売する商品力やコンテンツの魅力度・分かりやすさ、価格の安さ、サイトの使い勝手、デリバリー力(速さ正確さ)、顧客満足度・サービスの良さ、などが海外現地のネット通販企業との競合ポイントです。  言語の壁・文化の壁にハンディがあるのはパソコンの場合より大きいかもしれません。

ネット通販は比較的簡単にインターネット上に構築でき参入障壁は低く「パソコン(組合せ)型」と同様ですが、その通販サイトにしかない商品やコンテンツの魅力度、ブランドイメージ、サイトデザイン、ネット特有の広告・集客ノウハウ、など「自動車型(擦り合わせ)型」の要素も多分に必要であり、どうやら「組合せ&擦り合わせの折衷型」のようです。

先に紹介した1月19日の日経新聞の「楽天、中韓などで展開」の記事のサマリーは次のとおりです。

・2月までに「楽天市場」の中国版や韓国版を作り、現地の言葉で買い物ができるようにする。 日本からの商品の発送の対象をアジアを中心に拡大する。

・「楽天市場」は昨年12月に英語版を完成し、決済まで英語でできるようにした。これまで海外から購入する客の多くが、自動翻訳機能を使って買い物をしていた。 米国からの利用者の8割が在外邦人であるのに対し、アジアは香港で9割、韓国で7割と現地人の割合が高い。

・中国や台湾、韓国、タイ、香港では日本の若い女性のファッションに対する関心が高く、海外からの注文では女性向けの洋服や日用雑貨、アクセサリーの人気が高い。

・ネットを使った販促活動も強化する。検索サイト(現地語の)で「ジャパン」、「ファッション」などと入力すると、楽天市場が上位表示される広告を買う。

・楽天が商品の配送サービスを提供する国・地域も現在の12から27に拡大。マレーシアやベトナムを新たに加える。 海外でのネット通販の取引金額は現在、日額300万〜400万円で全体の1%に満たない。 三木谷社長は、「5年以内に国内と海外の売上高比率を1対1にする」と述べ、5年後の海外での年間取扱高を1兆円規模にする方針を示した。

以上が記事のサマリーで、現在は1%に満たない海外からの売上を5年後には1兆円規模に伸ばすというから、壮大なチャレンジです。

しかし、現在の楽天市場の国際配送ページの英語版を見てみると、海外進出にそんなに意欲的に取り組んで投資しているとはとても感じられません。

楽天国際配送ページ800x429

というのは、海外向けページは日本語ページをGoogleの自動翻訳機能を使って表示しているだけです。 ご存知のようにGoogleの自動翻訳だけでは、翻訳が不完全なところが多く残りますが、そのまま放置されています。

上の画像は「楽天の国際配送ページ」で上部にGoogleの自動翻訳機能で日本語から自動翻訳されています、と表示されています。 個別商品ページに至っては、日本国内限定の「送料無料」が、そのまま「Free Shippinng」と翻訳されています。 海外まで送料無料ならば大赤字です。  商品仕様の翻訳不能のところは日本語のまま残されています。 いかにも安直で、これでは確かに海外在住の邦人くらいしか買いに来ないでしょう。

日本からの発送が前提なので、商品が届くまでは通関も入れると速くとも1週間ほどかかります。 送料は重量見合いですが、1.5kg〜2.0kgの商品で北米は4,000円、アジアは3,000円、3.5〜4.0kgだと北米6,800円、アジア5,000円も掛かります。  日本文化や日本商品に格別に関心がある人なら気にはならないかもしれませんが、アジアの一般の利用者には、かなり割高でネット通販の強みである「安さ」、「速さ」の強みが発揮できていません。 これでは、アジアの現地通販企業には勝てないと思われます。

楽天市場と競合するショッピングモールAmazonが米国での成功モデルを日本に持ち込み、日本法人を作り、数年間は赤字覚悟で膨大な投資をし、多くの日本人スタッフを雇い、徹底して日本ローカライズして、商品在庫も日本で持ち、強力なサプライチェーンを作り上げ、サイトもキチンとした日本語で作り、最初は本やCD・DVDから初め、日本の顧客ファンを増やし、徐々に取扱商品を増やし、今ではファッション、家電から食品までと総合モールに拡大し成功している例が逆進出のお手本として、手法の比較対象として参考になります。 

日の丸通販の「楽天市場」の海外進出に期待していますが、現時点では、楽天の海外進出はいかにも中途半端で、成功は容易ではないように映ります。

参考:ネット通販は不況に強い!?

「擦り合わせ型」の日本、「組み合わせ型」のアメリカ

主要ショッピングサイトの総利用時間は大きく増加

※本記事は「@あるん(あっとあるん)の団塊・シニアのコミュニティー」との連携投稿です。


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1. パソコンはノート?  [ パソコン価格はもう3万円台。通販で更にお得! ]   2009年03月02日 02:21
こんにちは。パソコンはノート派?デスクトップ派?「派」というより、使用目的に応じてかもしれませんね。価格.comで価格を調べてましょうという記事を書きましたが、やはり、絶対ですね。^^vパソコン買う時は、絶対に価格.comで調べてみるべきです。私は、価格.comをしょっ...
2. マレー缶  [ マレー缶 ]   2009年03月09日 11:29
マレーシアについてちょこちょこと。いつか行きたい。

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今となっては時代遅れの団塊世代の元エンジニア 
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