2007年07月07日
オフィス弁当屋:玉子屋−驚異の廃棄ロス0.1%以下
7/1(日)朝のNHK「経済羅針盤:1日7万食の弁当、人気の秘密」を観た。
<抜粋>東京のサラリーマンやOLなどから幅広い支持を得ている昼食弁当を作っている玉子屋。一日7万食を売り上げて、東京のオフィス街の「ランチ戦争」で一人勝ちとも言われる快進撃を続けています。玉子屋では、一日に何種類も作らず一種類の弁当を作るだけ。「一番自信が持てる弁当で直球勝負するだけ」と菅原社長が考えているからです。毎朝注文を受け、そこから正午までに確実に必要な弁当を届けることで利用者の信頼を得ていますが、それを実現するために様々なノウハウを活用しています。さらに、メニューの開発には最も力を入れ、お客さんの反応を取り入れながら「飽きないメニュー」を作り出しています。</抜粋>
玉子屋は1日7万食という規模からすると、世界最大の昼飯デリバリー屋さんらしい。私はBTO(注文生産)とSCM(サプライチェーンマネジメント)が興味分野だから、この玉子屋の「1日7万食も作って、廃棄率0.1%以下を実現」している驚異的な効率の良さに驚いた。 TVでは、ITシステムなどを使わずに、電話注文と人間による集計処理で、この日の弁当注文は60,453個、この週の余りは平均6個/日と言っていたから、実に0.01%しか余り(廃棄ロス)を出さないとは神業的である。
どこにその秘密があるのだろうか? 次の記事にその秘密の一端が簡潔に記されていた。 「次元の見えない競争 --玉子屋のお弁当サービスのイノベーション--」 関連部分を一部抜粋しておきます。
<抜粋>当社がおいしい弁当を安く、確実に届けることが出来る秘密は三つある。一つは工場を1箇所に集中していることである。食材の大量購入かつ納入業者の物流効率化にも繋がる。その日に作る食材をその日に届けさせるので、冷蔵庫や冷凍庫も持たず、在庫も不要となる。二つ目は人の集約効果である。給食弁当は受注、製造や配達といった労働集約的な面が多く、集中するメリットがあるという。三つ目は配送システムである。注文が確定しないうちに見込みの数を積み遠隔地から届け初め、第一陣の配送車と注文確定後に出発する第二陣の配送車が途中の中継ポイントで弁当の過不足調整を行う。このような効率化の工夫で廃棄ロスは0.1%の低さを誇る。
当社の方針としてこれらの工夫によってもたらされる利益は、給与や食材の高級化ということで従業員や顧客に還元している。当社は何をやらないかが明確である。フランチャイズ展開などの規模を追わず配達を都内に限定、営業マンを置かずとも配達の人間や口コミ効果で食数を伸ばしてきた。過去食中毒事件を起こしたことの反省も今の経営に生かされている。</抜粋>
秘密は「逆説」と「限定」の所与条件から、生み出さざるを得なかった長年の「こだわり」にあるようだ。
1)1種類の日替わり弁当のみ:一般には種類が多い方がよさそうだが、逆説的な1種類にこだわり、だからこそ、430円という割安価格を維持し、手抜きのない栄養バランスのよいメニューでないと飽きられてしまう。 1種類だからこそ、所要予測が立てやすく、エリヤ別の過不足への融通性も高い。 従って、廃棄ロスをミニマムにすることもやり易い。
2)首都圏限定の3時間制限:AM9からTELで注文受付開始して、10時で注文締め切り、12時までに配達必達。 これが絶対的な限定条件。 この範囲で創意工夫して、効率的なデリバリーシステムを作り上げるしかなかった。 これが、かえってほぼ固定的な顧客企業(約4,000ヶ所)を開拓できたことにもつながった。 これも所要予測の精度アップに貢献しているのだろう。
3)IT化など念頭にもなかったのだろう、規模を求めず、人間系の泥臭いチームワークで失敗を繰り返しながら、十何年もかけて出来上がった。(菅原社長の言では、「こだわれば、できてしまった仕組み」) 結果的にITを使わなくともよい規模の限定だから、逆に人間系の創意工夫が発揮できたのかもしれない。
菅原社長が、「雨の日は注文が多い、給料日前は注文が増える(懐具合がさびしいから)、週後半は注文が減る(営業は週後半に外回りが増える)、会社によっても肉好き、魚好きの性格がある」と言っていたのは面白かった。 さらに、この会社の逆説的な「企業理念」(左図)が面白い。
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ITも太刀打ちできない分野があることに感激です。

