2006年02月12日

量的緩和解除とは何?

団塊世代のIT活用ライフ(2)

量的緩和解除とは何?

量的緩和解除は近いとの思惑で2月8日の株価は450円も急落し、翌9日の日銀福井総裁の発言(量的緩和解除は3月に早まる?)を受けて、10日は更に180円続落しこの3日間で530円も株価が下がった。  1月17〜18日のライブドア・ショックで株価は1000円も急落した後、急激にリバウンドしショック前の株価水準に戻したが、再びの急落と波乱が起こっている。 一部には「福井発言ショック」とも言っている人がいるほどである。

さて、「量的緩和解除」とは何のことか? 

私も漠然としたイメージ(お金をじゃぶじゃぶに余らせることにより経済の活性化を狙う金融政策)程度の認識だったので、改めてキチンと背景などを把握することとしました。

理解の参考となりそうなものをピックアップしてみました。

1.きょうのことば:量的緩和政策

2月10日の日経新聞1面トップ記事は福井日銀総裁の発言「量的緩和解除へ、3月以降の判断重要、物価上昇の見方強める」、3面に「きょうのことば:量的緩和政策」が説明されていますので以下に転記します。

「きょうのことば:量的緩和政策
▽---デフレ脱却や景気回復をめざして日銀が2001年3月に導入した。
 金融政策の目標を通常の「金利」ではなく金融機関が日銀の当座預金に預ける「お金の量」に置く。 市場に必要以上の資金を供給することで企業への融資増加などの金融緩和効果を狙った。
 導入当初に5兆円程度だった当座預金残高の目標を現在は30兆−35兆円程度にしている。
▽---日銀は現在、解除の条件として消費者物価指数(CPI)が前年比で基調的にゼロ%以上になることなどの3条件を掲げている。 CPIは05年12月まで3ヶ月続けてゼロ%以上となり、解除が近づいているとの見方が広がっている。

2.「貯金は損」、実質金利はマイナス  

2月11日(土)の日経新聞1面左側の「勢い増す日本経済」の記事が参考になります。
→公定歩合はほぼゼロ(0.1%)が5年も続いている、それに加えて量的緩和政策で実質金利はマイナス  →「貯金は損」との認識が広まり→個人マネーが株式、投信など一気にリスク性投資に向かいだした。

*ネット専業証券会社の取引口座数は295万口座(1月末)と1年前に比べて2倍近くに急増、1日平均の売買代金は1.3兆円にもなっているという。 

急増している背景には株のオンライントレードの安い手数料コストがあります。 安いコストでオンライントレードをやれるのも、量的緩和政策により、証券各社が金利ゼロのフリーマネーを潤沢に使えるお陰という 側面があることを知らされます。 

 今、株や投信、外国為替が人気があるのは、これらの{総合利回り(上昇益+配当)>>預貯金利子}だからですが、
 今年はないが、来年以降、いずれ日本の金利が数%程度になると、米国の金利(4.5%、3月に4.75%が確実視)との金利差が縮小するから、リスクを取った投資資金の流れのゆり戻しが起きてくることになります。
 →逆の意味では、株や投信は今のうちがチャンスとも言えます。 

 今後、量的緩和解除(3〜4月?)/ゼロ金利は継続→今年後半(?)の金利UP(ゼロ金利解除)−−−ということになると、株式市場には抑制要因として働くことになります。 株式市場に限らず、5年も続いた「お金じゃぶじゃぶ政策」が終わるという心理面も含めて、日本経済全般に結構大きなブレーキ効果にも成りかねない懸念があります。

*株式、債券、為替と各方面でこれらを先取りした思惑的な動きが出てきている。
 →今年通年では株価は上昇基調だが、昨年後半のように一本調子ではなく、量的緩和解除をにらんだ神経質な動きが予想されるということになります。


3.もう少し詳しい金融用語の説明

量的緩和政策
→つまり、金融市場にお金をじゃぶじゃぶに余らせることにより、経済の活性化を狙った政策。
反面では、我々国民がほぼ金利ゼロ預貯金による利子目減りを5年間も負担させられていることにもなります。

調べてみて認識をあらたにしましたが、最近では公定歩合の及ぼすコスト効果は小さくなっていて、コール市場など短期金融などが影響力を持ってきているとのこと。


日銀の金融政策
→90年の資産バブル崩壊以降、経済活性化のために超低金利政策を続けてきたが、2000年のITバブル崩壊、その後の金融危機(銀行の不良債権巨大化)で、ここにある3つの金融操作を総動員し、かつ、銀行への巨大な公的資金注入で金融危機を危機一髪で乗り越えて、やっと景気回復してきたのが現状です。(自民党が小泉構造改革の成果としてアピールしています。)

→2002〜3年頃には大手銀行でも危ないと青息吐息だったのが、今や多くの銀行が史上最高の利益とか言っているだから分からないものですね。 

 我々団塊世代にも厳しいリストラの嵐がついこの間まで続き、まだ後遺症は癒えていないという感もありますが、何事も
 *喉もと過ぎれば熱さを忘れる   *冬来たりなば春遠からじ 

と言うことでしょうか。 

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この記事へのコメント

1. Posted by tsunesannew   2006年03月12日 17:29
4 私も団塊世代のエンジニアです。お互いに頑張りましょう。団塊世代が一致団結すればスゴイパワーになりますからね。
2. Posted by 名無しさん   2017年09月29日 02:33
5 日本銀行による大規模な質的・両的金融緩和の実施は思わぬ効果を持たらし、マイナス金利政策の導入で、不動産開発が一層加速化しています。黒田東彦総裁による云わゆる黒田バズーカ砲は威力を発揮しています。好景気が続く現在、持続出来ると考えます。

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